FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ぎりぎりバレンタイン

バカップル・・・(;´∀`)

バレンタインデー

ノートにラクガキのハッピーバレンタイン
スポンサーサイト

誕生日!

誕生日おめでとう、自分!

誕生日

誕生日にチョイスした絵はなんか妙だな、と思う。

そろそろ。

この季節だな~

ヴァレンタイン

ほぼ、2月の風物詩となったイベントがやってくる。

コメントなのか?

 某小説投稿サイトにただいま駄文を連載中なのだけど。
そこに投稿した小説は「コメント」欄があって、(私は批評などされると凹んでしまう脆弱な神経なので、コメントは受け付けていない)
けれど、受け付けている人のコメントなど読んだら・・・けっこう、批判的、キツイ意見が多い。
こんなのよく耐えられる・・・と思っていたら。
ふと、同じカテゴリで投稿している人の作品紹介文のところに、

キャラ批判、作品否定。
口の悪い辛口コメントは、ご遠慮ください。
ご理解頂けない場合は、予告なしに消去するか
可能性があります!


と、書かれてあった。
予防線をしっかり張っているかたもいらっしゃる・・・というか、やられて凹んだ経験があるのだろうな・・・・と思ったしだい。
コメントするときにはその方の作品が気にいったときにしか私はしない。
わざわざ作家の創作意欲を無くすようなコメントをするのは、悪意にしか思えない。

なので、コメント受け付けなしで自由に書かせてもらってる。
他人の意見で自分の作風を変えようなどちっとも思わないので、楽しく書いているのだ。

書き続ける。

いまだ、小説を書いたりしてる。
ええ、下手の横好きってやつ。
そう、好きなのだね。今、書くことが楽しい。
書いてると、絵も描きたくなる。


ブログ用

小説投稿サイトで、書いたのを毎日更新しているけど。
読んでくれる人が、多少なりともいるのが嬉しい。
固定で読んでくれる人もいるみたいなので、こんなヘタレな文章を読んでもらって申し訳ない、と思いつつ、書くことをやめられない。
前のが完となったので、今、新しいお話を書いている。
書いてると、夢中になって。
なかなか夢中になれることってないから、嬉しくてしょうがない。

楽しい。久しぶりに

大手の小説投稿サイトに登録して、1週間。
今夢中になってるのは、自分の小説に挿絵を入れること。
そこの投稿サイト、挿絵がいれられる画期的なもの!
元々は漫画用に書いた小説だから、絵もある。
ならば、挿絵は必要不可欠。

ちなみに、Ⅰ話目の挿絵↓


名称未設定-1

漫画はネームが必要で、これが大変なんだけど。
小説の挿絵は美味しいとこどりで。。。
美味しすぎて、くせになりそう(;´∀`)
年内に、公開してる12話のうち挿絵がない7話分の挿絵が描けるといいな~って思う。

こんな感じ。

小説のタイトルページ。
サクッとこんな感じかな?って。

平凡OL王女は常ならむ_edited-1

思った。
小説って・・・早い。
私は物語を考えるのが好きで、色んなストーリーをストックしているけど。
それを漫画にしようって思ったら、1本描くのに1年以上かけてしまう。
ところが、8万字程度の小説だと、たったひと月で書けてしまうのだ・・・ってことに、気がついた。
絵も好きなんだけど、基本はお話が好き・・・いや、お話じゃなくて、お話に登場する人物が大好き。
今度の話も主人公もさることながら、脇キャラも大好きなのだ。
なので来年も小説にのめり込むだろうと予言する。

おためし3

タイトル、決まった。

タイトル: 「平凡OL王女は常ならむ」 


 その日は朝から小雨が降っていた。寒くはない、というか、この世界に四季があるのか、わからないけど。
 険しい気分になってるのは天気のせいじゃない。午後から予定している会議の間での大臣たちとの話し合いを思ってだ。
 素直に大臣たちが私の話を聞くはずがない。そう思いながら、私はテーブルの上にある書類を見る。
 大臣たちに提出させた、物品の購入や支払いの明細など財務に関する報告書だ。
 大臣たちを打ち負かす。でなければ、この国は遠からず崩壊する。
 例え生まれ育った世界じゃなくても、人の苦しむ顔なんて私は見たくない。
 
 時間より少し遅れて、私は会議の間の扉を開けた。
 すでに4人の大臣たちは席についていて、私の入室で立ちあがった。部屋の中はすでに戦闘体制の険悪なムードで包まれている。
 田所課長似のニーサルの「小娘が気まぐれに俺様を呼び立てやがって」という心の声が聞こえてくる。
 キリウスは憮然と、叔父のナビスは不安げに私を見ている。
 アランフェットは・・・肉に埋もれた顔の表情はよく分からないが、たぶん、彼が今思っているのは「会議にはお菓子が出るのか?」くらいだろう。
 咳払いをして、私は皆に席につくように促した。
 私の横には書記の役人が二人、後ろには石像のようにサラさんが立って控えていた。
 私は会議開始の簡単な挨拶をすませると、いきなりぶちかました。
「今の税を2年前に戻します。それと、大臣以下、各役職にある役人の報酬を1割削減します」
 税金の引き下げと国会議員の報酬削減、日本の国民の多くが望んでいるのに、国会議員たちが絶対やらないことだ。
「お、王女、それは、無謀というものです。我々の同意も得ずに、なんと恐ろしいことを」口火をきったのは金の亡者、ニーサルだ。
 当然、大臣たちの抵抗は想定済み。
 私は自分の手元にある書類に目を向けた。
「では、ニーサル公爵におうかがいします」つとめて事務的な口調で言った。「私に提出されたニーサル様の報告書によると、3倍の税が必要になった理由として、町村の大規模な治水工事、橋の建設などが挙げられていますが」
謁見の間で、町長たちに聞いた話だと、2年間、どこにも治水工事や橋建設工事など行われていないということだった。
「確認したところ、そのような工事は行われていない、ということですが?」
「そ、それは・・・なにかの間違い、いや、王女様の、勘違い・・・いや、工事には色々と複雑な事情が・・・」ニーサルは青白い顔をさらに青くしながら苦し気に弁明する。
「私の勘違い?思い違いということでしょうか?では、正しい調査が必要ということですね」
 要職にある人間が架空工事をでっちあげて予算を出させ、着服するなんて、よくあることだ。監査役の国王がいなきゃ、やりたい放題だ。
「王女には分からない事情ってものがあるのですよ!」ニーサルが苦し紛れに、やけくそのように言い放つ。
 だから、黙っていろ、と言うのか。大臣同士ならそれで通用させてきたのだろう。
「その事情とやらを詳しく調べる、と言っているのです。それとも、調べられたら都合の悪いことがあるとでも?」
 私は営業マンに『この領収書、私用じゃないですか。こんなの経費ではおとせません』と冷酷に告げる経理事務員の口調で言った。
 ニーサルは「いや、しかし、でも」などと酸欠状態ようにあえぐだけでまともな言葉が出ない。 
「姫の手を煩わせることもない。その件は私が調査して、早急に対処しましょう」キリウスが冷たい青い目で、隣でうなだれているニーサルを一瞥して言った。
 この男は、私を襲ったくせに・・・とか、憤懣やるかたない内心を隠して、「では、キリウス公爵にお任せしましょう」
 熊のシッポを掴むまでは、信用したふりもせざるを得ない。
「それと、キリウス様は」私はキッとキリウスを見据えて言った。
「武器の購入費が多すぎます。どこぞと戦争でも始めるおつもりですか」
 大砲ひとつでも、人ひとりが一生食べていけるだけの値段だった。やたらと多い軍備費など今の平和なローマリウスには必要ない。
 キリウスが特に何か不正しているわけではなかったが、高額な武器などコレクション感覚で買われては困るのだ。
 キリウスは降参とばかりに手をあげて苦笑した。
「今後、控えることをお約束します」
「そ、そうですか。ではお願いします」もっと抵抗があるかと、ファイティングポーズで身構えていた私はちょっと気が抜けた。
 叔父、ナビスの報告書にはさほど問題点はなかったので、スルー。
 それから。
「アランフェット様」名前を呼ばれて、肉の塊のようなアランフェットの巨体がぶるりと震えた。
「この2年の間に、国外からの高級食材の輸入が倍以上になっているのはどうしてでしょう。しかも、納入先のこの住所は」アランフェットの親族の館だった。立派な食糧の横領だ。
 アランフェットは顔が溶けるのではないかと思うほどの汗をかきながら、国会議員の奥義の一つ『たぬき寝入り』で答弁を免れようとしている。
 ま、いいか。横領を追及することが今の目的ではない。
 今は、
「大臣がたの今の支出が不当なものとして、私のほうで無駄だと思われるものを仕分けした結果、3倍の税は必要ないと思われます。なお、役員報酬の1割削減は削減部分を『能力手当』として、功績のある者、勤勉な者に支払われることとします。要するに今の報酬額を受け取りたいならば」
 私は天上の女神のように慈悲深い、気品にあふれる笑顔で言った。
「『きちんと報酬に見合った仕事をしやがれ』ってことです」

 もう、誰も私に異論を唱えるものはいなかった。というか、みんな魂がどっかに行っちゃったみたいになってた。
 
 その後、兵士と城の衛兵を町村の治安維持活動に派遣することと、城に備蓄した食糧を貧民に配給する案が(私の独壇場で)可決されて、会議の幕を閉じた。

 「私はまだ残って部屋の片づけがありますので」
 どなたかにレーナ様のエスコートを頼みましょう、とサラさんは言った。
 自分の部屋にくらい一人で帰れるのにな、と思いながらも、素直に従うことにした。
「姫のエスコートなら、俺が」とキリウスが言いかけたので、私は慌てて「じゃあ、叔父様にお願いしてもいいかしら」
 大臣の中では1番まともだし。それに、唯一の私の味方だもん。
「私でよければ」とナビスは控えめに答えた。
 キリウスのナビスを見る目が剣呑だったけど、さすがに国王の弟という立場の人間にごり押しはできないみたい。
「それから、レーナ様」別れ際サラさんは私を呼び止めると、右手を胸に当て腰を折る深い礼をした。  
 そんな礼って初めて見る。なにか意味があるのかな、なにか言葉をかけなきゃいけないんだろうか。
 この世界の礼儀作法など、まだよくわからない。
 戸惑う私にナビスが「サラは君を称賛して敬意を表しているんだよ。そういう礼なんだよ」と耳元にささやいてくれた。
 うそ!サラさんに褒められるなんて!
 天変地異の前触れじゃないかしらん、私は嬉しさに顔が火照った。
「あ、ありがとう、サラ」
「レーナ様にしては上出来でございました」 顔を上げたサラさんはいつもの鋼鉄の表情だった。
 なんか、褒められた感じが微妙にしない。
 でも、最初に感じた、私を見下すようなサラさんの冷たい目の光が今はないし。少しは私を評価してくれてるのかな。
 
 私室に戻ると、開口1番。
「すごかったよ、レーナちゃん。あのクワセモノの大臣たちを黙らせるなんて。どこでそんな政治手腕を習ったんだい」ナビスが私に尋ねた。
 まさか、会社の経理経験と小説や漫画の知識からだとは答えられない。
 私は「秘密です」って、答えにもならないことでごまかした。
「まるで、ああなる前の国王・・・兄上を見ているようだったよ」ナビスの声がしんみりとしたものになる。「兄上は立派な国王だったんだ、本当に」
 その声音で、ナビスがお世辞などではなく本気でそう思っているのが私にも伝わった。
 だけど、とナビスは真剣な目になって私を見た。
「レーナちゃんが国王代理になることを、よく思わない者もいるから」
 私の頭にキリウスの顔がさっとよぎった。
「町でも襲われたそうだね」心配そうなナビスの口調に「はい」と私は素直に頷いた。
 ああ、叔父の耳にも届いていたんだ。
「もし・・・よければ」ナビスはおずおずと遠慮がちに「もし私でよければ・・・いっしょに町についていってもいいんだけど・・・若い女の子がこんな陰気な城の中ばかりじゃ息もつまる」
「お願いします!」ナビスの言葉を最後まで聞くことなく、私は飛びついた。
 町に行きたい。自由に買い物とかしたい。それに、町に行ったら、またあの少年と会えるかもしれない。
 私の頭はそれだけでいっぱいになっていた。
 いや・・・けっして、何度も言うけど、私はショタコンってわけではないから。


 叔父で、大臣でもあるナビスがいっしょだということで、渋々、サラさんも町行きを許してくれた。
「叔父上から片時も離れてはいけませんよ」まるで、小学生の娘に注意する母親のような口調でサラさんは言った。
 
町行きの日の朝、私はパンに野菜スープといった、ほどよく質素な朝食をとった。
 あ、そう、食事も改善したのだ。「食べきれないほどの料理は作らない」と。
 料理人たちには城での仕事の他、食べるのにも事欠く貧民の為に、各地の空き家を急きょ改築して造った『お菓子の家』ならぬ『食事の家』で料理を作る仕事もしてもらうことにした。
 おかげでリストラどころか料理人不足になってしまったのだけど。
 とりあえずはダイエットが必要な体になる前に、しなければならないことを済ませたので、一安心なのだ。
 
 で。朝食をすませて、私は麻の長袖Tシャツと、ラクダ色の長ズボンという粗末な男物の服を着た。キャスケットのような帽子に髪を押し込み、顔が隠れるくらい目深にかぶる。
 鏡に映る姿は「町人の男の子」と言えなくもない微妙なコーデだったが。少なくとも「王女」には見えないからヨシとした。
 最後に私は文机の引き出しの中から、少年がくれたミサンガを取り出して左の手首にまいた。
 少年は「また、会えるオマジナイ」って言った。だから、なんとなく、それを着けていたら会えそうな気がした。
 支度がすんだころ、ナビスが迎えに来てくれた。
 大臣の豪華な衣装だとメガネをかけた貧相なネズミに見える叔父だったが、ちょっと小金を持っていそうな町人っぽい服だと全然違和感がない。逆馬子にも衣裳だ。
 昨日までブラック企業並の国務に追われた私だったから、純粋に町で羽を伸ばせるのはうれしかった。

 町は前以上に活気があった。税引き下げと食糧配給の効果があったのか、民人の表情が明るい。
 大道芸人たちも出張っていて、いたるところで音楽と人の笑い声が聞こえる。
 子供連れの親子の姿もちらほらと見える。前は買い物だけだったけど、きょうは楽しい出し物も見物できそう。
 それでも、私は怖い思いをした経験から、周囲に気を配るのを怠らなかった。半分はあの少年を探すためだったけど。
 まだちゃんと助けてもらったお礼も、ミサンガのお礼も言ってなかったし、名前も。そうだ、今度会ったら名前を聞かなきゃ。
「懐かしいな、この感じ・・・」ナビスが通りを見渡しながら、独り言のように言う。それから私のほうを見て
「昔ね、子供のころ1度だけ、兄上と二人で町にきたことがあったんだよ。こっそりね、城を抜け出して。楽しかった、まるで冒険みたいにワクワクした」子供のころの記憶をたどっているかのように、目には温かさが滲んでいる。
「でもね、私がうっかり、石段から落ちてけがをしてしまった。兄上は町にないしょで出たことと、私にけがをさせたことで、ひどく叱られたんだ」ナビスの顔が曇る「本当は私が町に行きたいと、兄上に駄々をこねたからなのに、兄上は何も言わずに私をかばってくれた」
 なんだか、このまま息を止めて消えそうなナビスに、なんと声をかけていいのか分からずに、私はじっとその小さな体を見つめた。
 ナビスは私の視線で我にかえり「ごめんね、つまらない話を聞かせて」無理に笑顔を作った。
 兄、国王があんなことになって、1番辛い思いをしているのは、この人ではないだろうか、なんとなく私はそう思った。 
 ナビスが古書を売ってる露店に足を止めて物色を始めたので、私は隣の装飾品を売ってる露店を覗いた。
 ふと、翡翠のブローチが目についた。月桂樹の葉のような形の銀の土台に翡翠がのっている。上品な輝きをはなつ翡翠はサラさんの緑色の瞳に似合いそうだ。
 お土産に買って帰ろうかな。あの硬質の顔を持つ侍女はサプライズプレゼントに、どんな表情をするだろう。
 翡翠のブローチに手を伸ばそうとしたときに、ふっ、と視線を感じた。
 刺すような視線、とでもいうのだろうか。誰かが私を見ている。
 私は景色でも見るような風を装って振り向いた。
 と、慌てて視線をそらした男がいた。
 あの男、私を見ていた?
 6,7メートル離れた漆喰の壁にもたれるように立っている男。汚れた前開きシャツに茶色いベスト。黒いズボンにブーツ。腰に束ねたロープ携えているのは牛か馬飼いなんだろうか。でも、精悍な横顔や鋭い目つきはとても買い物に来た町人とは思えない。
 剣呑な感じがする。この前のチンピラの仲間だろうか。
 私は古書を手に、考えこんでいるナビスのそばに行くと「叔父様」小声で話しかける。「怪しい人がいる」
 えっ、という顔をしたナビスだったがすぐに真剣な表情になる「どこに」
 私は目だけで男がいる場所を示した。ナビスは男をちらっと見て
「ただの考えすぎかもしれないけど、万が一ってこともある。この先に私の隠家があるんだ。衛兵も控えさせているから、そこまで行こう」
 私は頷いた。
 よくよく町を逃げ回る運命にあるらしい。
 
 ナビスと私は足早に路地を抜け、何度も角を曲がり、人ごみにまぎれて移動した。途中まで男の追ってきている気配がしたけど、まるで縁日のような人出に男は私たちを見失ったようだった。
 周りがなんとなく貧民街のような淋しい場所になったとき「ここだよ」と、やっと古いレンガ造りの家の前でナビスが足を止めた。
 私をかくまうように家に入れると、ナビスはほっと息をついた。
「ここまでくれば大丈夫だよ」
 私を見つめて微笑む叔父の姿が急に頼もしく見え、私はナビスに打ち明けてしまおうと思った。
 ナビスなら、私を助けてくれるのではないか。キリウスのことをすっかり打ち明けてしまってもいいんじゃないか。
「叔父様」と声をかけようとして、私は背後に人の気配を感じて振り返った。
 古い家の隅は暗い。その暗闇に人の気配がする。
 誰かいる?
 あ、そうか。と、私は思い出した。
 そういえば、衛兵が控えてるって言ってたっけ。
 私はナビスのほうに向き直った「叔父様、実はお話が・・・」
 そう言いかけた私の全身を冷たいものが走った。
「叔父様・・・?」
 信じられない思いで私は叔父の顔を見た。
 叔父の、ナビスの顔、私を見るメガネの下の瞳に宿っているのは・・・
 嫌悪?
 憎悪?
 さっきまでの温かさはウソのように消え、眼差しはまるで氷の棘のように私の全身に突き刺さる。
「お、叔父様?」
 
「遅かったじゃないですか」「待ちくたびれましたよ」部屋の隅の暗闇から数人の男の声が上がる。
 のそのそと闇から這い出て来た男たちを見て、私は声にならない悲鳴を上げた。
 なぜ、なぜ、なぜ
 なんで、ここに
 私の前に姿を見せたのは、前に私を町で襲おうとした男たちだ。
 薄汚れた身なりで、体中から粗暴さが滲み出ている。 

「お前たちがしくじるからだ。高い金を払ったのに」
 ナビスの忌々しそうな声が麻痺した私の頭に響いた。
 しくじる・・・しくじるって、なに。どういうこと。
 「お前たちが始末しそこなったせいで、余計な手間がかかった」
 シマツ・・・始末って?
 私の体は金縛りにあったみたいに硬直している。
 危険を感じてる頭が早く逃げなきゃ、と言ってるのに、足が言うことをきかない。
 恐怖で動けなくなった小さな動物のような私を見て、ナビスが笑った。
「驚かせてごめんね、レーナちゃん」
 あ、もしかして、ドッキリ?
「君は邪魔なんだよ」
 浮かんだ希望はすぐに打ち壊された。
「君が兄上の代理などと、私は認めていない。兄は立派な国王だった、私など足元にも及ばない。でも、2年前、兄は正気を失って国王じゃなくなった。後に残ったのは世間知らずで頭の足りない姫君だけだ」そこで言葉を切って、ナビスは男たちに合図を送った。
 二人の屈強な男に両の腕を挟まれる。抵抗しようとしたけど、びくともしない。
「君さえいなければ、私が王位継承者だ。私が兄上の後を継いで国王になるんだ」
 ああ、そういうことか。
「なんかベタ過ぎ」私のつぶやきに意味が分からなかったナビスが首をかしげる。
「頭が足りないのはどっちよ」体は動けないけど、喋れる。
 なにか言わなくちゃ。
 思い止まらせなきゃ。
「私に何かあったら、いっしょにいたあなたが疑われるだけでしょ」
 アビスは笑った。人の笑顔を憎ったらしいと思ったのは初めてだ。
「疑われる?私のような臆病で小心者で律儀なだけが取り柄のような男が?」
 悪意と狂気に満ちた声で「私が可愛い大切な姪を殺すなどと誰が思う?君はね、私と町に来て、人ごみではぐれてしまうんだよ。私は必死で君を探した。探して探して、やっと貧民街の路地に倒れている君を見つけた。君は胸を刺されていて瀕死だ。最期に『国を頼む』と私に言い残して息が絶えてしまった。私は悲しみにくれる中、君の最期の願いを叶えるために国王の座につくんだ」
 ナビスは何かに憑りつかれたように、ろうろうと語る。私は途中で吐きそうになった。
 狂ってる。
 ずっと、騙していた。お芝居だった。私に優しくしてくれたのも、味方だからね、ってあのとき言ってくれたのも
 あっ!!
 雷鳴のようにひらめいた。
 味方だからねってナビスが言った、あのとき!薄暗い城の廊下で、私はサラさんと町行きの話をしていた。あのとき、後ろにナビスがいた。
 聞いてたんだ。
 ナビスの存在感がなさすぎて、私にはキリウスしか思い出せなかった。
 私が町に行くのを知っていたのは、ナビスだった。
 自分の愚かさかげんに腹が立つってこんな状況のときなんだろう。
「今度はしくじらない。しくじりようがないからね」ナビスの顔が酷薄と狂気の笑いで歪む。
「やれ」と、いかつい顔の男に命令する。
 男の手には大型の包丁に似た刃物が握られている。
 あれで胸を刺されたら、痛いだろうな。痛い。ううん、たぶん死ぬ。
 死ぬ?ここで?
 恐怖が脳を麻痺させてる。
 男が目の前に立った。
 私のめいっぱい見開いた目は、私の心臓めがけて突き出された鋭い刃物の光を映していた。
 

続く。

やっと、書き終わった。

小説。
ざっと・・・書いてはいたけど、直すところが多々あり、清書の段階で加筆されて・・・
なんだか、あれ?こんな終わり方だったっけ?
な、状態。
でも、ま・・・本人は満足しているので、いい。

さて・・・うん。で、せっかく書いたのだから?どこかに投稿しよう、ってなったけど。

候補に勧められた「アルファポリス」と「小説家になろう」(なんか小説とかの投稿サイト)
一応、会員登録してみて、それから、中で投稿されていた、人気ランキングの上位を読んでみたりした。

うむむ・・・。

普段はプロの人気作家さんの小説しか読まない私には「カルチャーショック」だ。

え?こんな文体あり?・・・とか。
え?セリフ・・・多い・・・とか。(セリフだけで話が進む)

文字がぎゅうぎゅうに詰まってる文章が大好きな私には、行間がむだに広い小説が違和感半端なくて。

ちなみに、娘の友だち(中3)が書いたという小説も読ませてもらったけど。
やっぱり、セリフだけで物語が進んでいく。

自分にはない感性が面白くもあり。

でも、こういうのを読み手が求めているのならば、それに合わせていくことも必要なのだろうか?

いや、でも、求められているからといって、自分を変えてまでは書けないし。

今、自分が書けるものを素直に書いていくしかないのだと・・・思う。

まだ、おためし?

続きを読んでやってもいい、という奇特な人がいたので、きょうも小説の続きをアップしてみる。
しかし。やっぱり、文章を書くのは苦手・・・苦手なのだけど、
物語を創るのは楽しい。楽しすぎる。





 翌日、たっぷりの量の朝食を取った後、私は町へ行くための服に着替えた。というか、着替えさせられた。
 身分がばれないように地味な黒い服で髪と顔の半分はベールで隠す。アラビアの女性風の衣装、と言ったら分かりやすいだろうか。
 私をドレスで盛れない少女召使いたちはつまらなさそうだったけど。
 でも、この世界に来て城以外の場所を見るのは初めてだ。
 まるで遠足に行く前の小学生のように私の心は弾んでいた。
 さて、出かけようか、と気合が入ったところで、廊下から騒がしい音が聞こえた。
 なにごと?
 と、訝しく思うヒマもなく、バタン、と乱暴に部屋の扉が開けられた。

 「いけません。お戻りを」と泣きそうな悲鳴を上げる召使いを引きずるようにして、ドカドカと入ってきたのは、熊男のキリウスだった。
 またー!?
 キリウスは私の姿にちょっとの間、目を見張った。
「酔狂な衣装ですな。どちらにお出かけで?」
「あなたには関係ないでしょう」嫌悪を隠さずに私は言い捨てた。サラさんが所用でいないときに、なんてメンドクサイ。
「関係なくはない。私はあなたの婿候補だ」
 まだ言うか、それ。つか、言葉がぞんざいになってるよ。上品な紳士を演じられないほど焦ってるってわけ?
「昨日言ったでしょう。私は誰とも結婚しない。国王代理になるの」私もぞんざいに反撃した。キリウスは一瞬、ひるんだが
「姫に国王代理は無理だ。あなたのようなか弱い女の子が国を統治できるわけがない」
 確かにね、レーナ姫ならか弱くて可憐なお姫様なんだよね、きっと。国王になるよりお嫁さんのほうが向いてるのかもしれない。
「考え直して、どうか、姫、私と結婚を・・・いや、せめて婚約だけでも」
「いーーーやっ!」即答した。「私は好きでもない男性と結婚はできません」
 ガックリと音が聞こえるくらいキリウスは落胆したようだった。何か言いたげな顔をしたが結局は何も言わずに出ていった。
 これであきらめてくれたらいいんだけど。私は暗澹とした気持ちになった。
 それにしても、そんなに国王の座って魅力なの?
 平凡OLの私には国を統治したいっていう気持ちが、まったく理解ができない。

 
 
 町は白い漆喰やレンガ造りの建物と石畳の道でできていて、思っていた以上に清潔感があった。中近東と古いヨーロッパの街を足して2で割った感じかな。
 町から見る城の外観はドイツの有名な城に似ている。もちろん、実物は見たことないんだけど。
 夕方の大型スーパーマーケット並の人出だ。この2年間で税が3倍になって、重税にあえぎ、閑散とした荒れた町になっているのではないかと心配したのは、漫画や小説の読みすぎだろうか。
 市場には所狭しと露店が並んでいて、買う人、売る人の声でそれなりに賑やかだ。肉や果物などの農作物、金物製品、得体のしれない骨董品、妖しい薬草類、どれも珍しくて浮き立つ気分をベールで隠しながら、私はショッピングを楽しんだ。
 貨幣については事前にサラさんのレクチャーを受けていたので、問題はなかった。
 サラさんが私の護衛につけた衛兵2人が、白い前開きシャツにズボンという一般的な町人の格好をして、周囲に目を光らせているのが見えた。
 サラさんは2人では少ないと言い張ったが、ぞろぞろと護衛を引き連れてる女じゃかえって人目を引くって、がんばって説得した。
 城の中では確かに物に関しては不自由はないけど、贅沢な暮らしをしてるとは思うけど。もとは庶民の私には窮屈なのだ、息が苦しくなることもあるのだ。町の空気は自分に馴染んでいるみたいで心地いい。周りの人間の雑多な言葉を聞くのも気持ちいい。
 ただ、気になるのは子供の姿が見えないことだ。
 たしか、平民には学校ってなかったはず。子供たちはどこにいるんだろう。後でサラさんに聞けばわかるだろうか。
 ふと、農作物の露店で見たことのない赤い果実が目に入った。リンゴ?トマト?その中間のような形。味はどんなんだろう。
 その果実を取ろうと手をのばしたとき。
 腕が掴まれた。
 えっ!?
 驚いて横を見ると、私より頭一つ背の低い少年がいた。私の腕を掴む強い力とは裏腹な華奢な体つきだ。
「あの・・・なに?」
「おねーさん、狙われてる」少年は早口で言った。
 は!?
「気づかれないように、斜め右後ろ見て」
 私は少年の指示通り、素知らぬふりして斜め後ろを窺った。
 !明らかに普通の町人ではない剣呑なムードを漂わせたいかつい男が私を見ている。
 なに、アレ。そうだ、私の護衛は?
 護衛のいた場所を見ると、衛兵たちは壁に寄りかかって動かない。気絶させられてる!?
 えええっ、なにがあったのっ、どうしたらいいのっ
「走るよ、いい?」
 パニクってる私は少年の言うことに従うしかなかった。声も出せずにコクコクと頷くと、
「行くよ」少年は私の手を引いて、脱兎のごとく走り出した。
 とっさの私たちの行動に意表をつかれた男は慌てたようだったが、すぐに「逃げたぞ!」と叫ぶ。
 仲間がいるんだ!
 振り向くと屈強な男たちが何人か追ってくるのが見えた。
 捕まったらヤバそうな感じがありありとする。
「速く」少年は鋭い声と同時にスピードを上げた。私は引きずられるように、いや、文字通り引きずられて少年についていった。
 いくつもの角を曲がり、細かい路地を抜け、私が酸欠で悲鳴を上げそうになったころ、ようやくある建物の門の前で止まった。
「ここなら、大丈夫。警護団の宿舎だからね、やつら、ここには来れないよ」
 警護団・・・警察みたいなものなんだろうか。建物は頑健な石造りで最寄りの公民館ほどの大きさだった。
 建物を見ながらゼイゼイと息を吐く私に、少年は「ごめん、かなり無理させた?」
 はい、かなり。
「う、ううん。だい、じょう、ぶ」気丈に答えたけど、大丈夫じゃないことは丸わかりだ。
 自分の運動不足を反省しながら、少年を改めて見る。あんなに走ったのに息も乱れていない・・・それに・・・
 可愛い。
 やばい、可愛い。いや、美少年って言ったほうがいいのかな。
 紫がかった黒い短髪はカラスの濡れ羽色っていうやつ?不思議な光を放つ青緑の瞳。スッキリとした清涼な目鼻立ち・・・って、やっぱりボキャブラリー不足だ。美しさの表現力に乏しい自分を呪う。
 少年は薄汚れた町人の服を上等な服に変えたら、貴族の子息と言っても通りそうだ。
 私はショタコンじゃないけど、年下は趣味じゃないけど。
「あ、あの、助けてくれて、どうも」声がどもってる。
 アイドルを前にしたファンみたいじゃない。恥ずかしい。
「奴ら、あのあたりのチンピラでさ、強請、たかりは当たり前で。殺しもやってるってウワサなんだ。おねーさんをつけてるのが見えたから、ヤバイって思って」
 え?私をつけてた・・・どうして
「家、どこ?送るよ」少年の申し出に私は慌てた。家はお城よ、なんて言えるわけがない。
「大丈夫、一人で帰れるから」
「また奴らに会ったらどうすんの?」少年は本気で心配してくれてるみたい。私を覗きこむキレイな顔が真剣だ。
 もし奴らに会ったら、私ひとりじゃ逃げきれない。
「じゃあ・・・家の近くまで、お願い」私は仕方なく折れた。


 城の裏門まで少年は送ってくれた。
「ここ?城じゃん」少年は青緑の瞳を少し薄めて不思議そうな顔をする。私はとっさに
「あ、私、召使いで、城に住み込みで働いているの」
 この世界にきて、ウソがするりと出る自分に自己嫌悪を感じる。ウソをつく後ろめたさも。
 少年は疑うそぶりもなく「ふーん、そうなんだ、大変だね」
 どういうことが大変なのか分からないけど、私は曖昧に頷いた。
「おねーさん、また町に来ることあんの?」
「え?うん・・・たぶん・・・」サラさんが許してくれたらね。
「だったらもっと粗末な服着て来なよ。そんな上等な絹の服を着た女が一人で市場なんか歩いてたら、チンピラに『誘拐してください』って言ってるようなもんだよ」
 え?そうなの?
「俺、いつもだいたいあの市場にいるからさ。また、会えるといいね」少年はそう言うと帰りかけたが、
「あ、そうだ」と自分の左手首に巻いてあったミサンガのような紐をほどいて、私に投げてよこした。
「それ、また会えるオマジナイ」照れくさそうに笑った顔もカワイイ。
 渡されたミサンガのようなものは黒と紫の紐で変わった編み込みになっていた。
 私がお礼を言おうと目を上げたときには、もう少年の姿は遠くの陽炎なっていた。
 まるで風みたいな少年だったな。
 また、会える・・・かな?会えるといいな。私はミサンガを握りしめた。
 誰かに会いたいと思ったのは、ここに来て初めてのことだった。
 断じて、私はショタコンじゃないのだけれど。


 町での出来事を知ったサラさんは
「もう、お忍びで町に出ることはなりません」静かな口調だけど、目が据わってる。怖い。
 私はサラさんにはないしょにしようって思ってたのに(町に行けなくなるってわかってるから)チンピラにのされた護衛の衛兵たちが報告してしまったのだ。
 彼らの立場なら仕方ないってわかっているけど。
 減俸にされちゃった衛兵も気の毒だけど、町を自由に歩けなくなった私も気の毒だ。
「それにしても」サラさんは怖い表情を張りつけたまま、つぶやくように言った。「町民に扮した護衛がなぜ気づかれたのでしょう」
 はっ、とした。
 そういえば、そうだ。私に護衛がついてるって、どうしてわかったの。
 変だよ。
「レーナ様がお忍びで町に行くことを知っている何者かが企てたとしか・・・」そこまで言ってサラさんは口を閉じた。
「憶測でレーナ様を不安がらせてはなりませんね。この件は私のほうでも調査してみます」
 調査とか、必要ないんじゃない?
 だって・・・町行きを知ってたのは・・・
 私は思い出していた。『酔狂な衣装ですな。どちらにお出かけで?』そう言った、あの男、キリウスの顔を。
 キリウスなら私がどこに行くのか感づいただろう。だから、こんな、私を脅すようなマネをした。
 私が自分に従わないから。
 なんて、傲慢で自分勝手なんだろう。
 あの男に私との結婚をあきらめさせるには、方法は一つしかない。この国の法律でいけば、王女と結婚できるのは大臣位にあるものだけらしい。なら、キリウスを大臣位から降ろせばいい。
 今度、私になにか仕掛けてきたら、必ずシッポをつかんで退位させる。
 私にしては珍しく、勇ましい決意をしたのだった。

 次の日、朝から私はサラさんに「気をつけるから」「今度は大丈夫だから」と必死で町行きを訴えた。
 手を前に組み、上目を使い、美少女のおねだりポーズもサラさんの鋼鉄の心は貫通できなかった。普通の人間なら眉を下げて「しかたないな~」とか言うはずなのに。
 それでも、私は粘る。だって、町は楽しかったし、またあの少年に会いたい・・・じゃなかった、町の様子が知りたいから。立派な国王代理になるために。
 夕食前になって、私の何十度目かの「お願い」に、とうとうサラさんが溜息をついて言った。
「国の様子がお知りになりたいのなら、町長(まちおさ)や村長(むらおさ)を城に招いてお話されたらどうですか?」
 あ。そうか、なるほど。その手もあったか。
 それなら、私が動かなくても国の内情を知ることはできる。町には行けないけど・・・しかたがない、今は王女としての責務をまっとうすることが先だ。
「それでいいです。お願いします。手配していただけますか?」
「かしこまりました。すぐに手はずを整えましょう」
 そう答えてから、サラさんは呼び鈴を手にする。軽やかなベルの音を合図に召使いたちがディナーの支度を始める。今夜のメインディッシュは子羊肉のナントカソースかけ、らしい。
 毎日、一人では食べきれない量の豪華な料理が並ぶけど、余ったものってどうするんだろう。
「私が食べきれなかった料理はどうなるんでしょう」何気なく私は聞いてみた。横で陶器のグラスに飲み物を注いでいたサラさんが手を止めて、一言「破棄されます」
 簡単明瞭だ。捨てるってことね。
 なんて、もったいない。安アパートで、給料日前にはカップ麺のわびしいディナーをとっていた私には「まだ食べられるものを捨てる」とか考えられない。
 捨てる量を減らすために精いっぱいお腹に詰め込んでみたけど。私が太るだけで、問題の解決にはならないと、デザートの甘酸っぱい果物のタルトもどきを、お茶で喉に流し込んだときに気づいた。
「料理の量を減らしていただくことはできませんか?こんなにたくさんあっても」サラさんに提案してみると、
「それは、料理人たちの誰か1人を解雇しろというご命令ですか?」
 は?え?なんで、そういう話になる?
「料理を作る仕事のなくなった料理人は不必要でございましょう?」サラさんが感情のない声で言う。
 ・・・・ああ・・・そういうことになるんだ。
 つまり、私が言ったのは、料理人をリストラしろっていうのと同じだったんだ。
「いえ、やっぱり今までの量でいいです」そう言うしかなかった。簡単にはいかないものだな。
 早く、打開策を考えなくちゃ。私がブクブク太ってしまう前に。

 数日後には仕事の早いサラさんの手によって、城の謁見の間に各地の町長、村長20人ほどが集められた。
 むろん、このことは大臣たちには秘密だ。余計な口を挟まれたくはない。
 町長たちは一様に不安げな表情で身を縮めている。わけも分からずに城に呼びつけられたのだ、何か咎めがあるのではないか、と思うのも当たり前だろう。
 私は警戒心をあらわにしている町長たちに努めて穏やかに語りかけた。
「私はただ、この国のことをもっとよく知りたいのです。ですから、みなさんの町や村のことで思ってること、何か問題なことがあれば教えていただきたいのです」
 それでも「おそれながら」と話し出そうという者はいない。下手なことを言って処罰されるのを恐れているのだろう。
 会議で誰も発言しないときのような、重苦しい沈黙の時間が流れる。
 ええい、もう。
 私はすっくと立ちあがった。
 警戒心の強い動物に上から手をやってはダメだ。上座からふんぞり返って本音の話を聞こうなんて、無理なんだ。
 ドレスの裾をたくし上げて、私は町長たちと同じ床にペタリと座った。
 私の行動に驚きのどよめきが湧いた。鋼鉄の侍女サラさんでさえ、目を見張っている。それほど稀有な行動なのだな。
 隣に座っている中年の男に私はにっこりと天使のように微笑みかけた。
「なにか困ってることはありませんか?私で力になれることがあればおっしゃってください」
 男は思案しているように眉間にシワを寄せていたけど、こんなけなげな美少女だったら、話しても咎にはなるまい、と判断したのだろう。
 ためらいがちにポツポツと話し出した。
 一人が話し出すと、後はもう雪崩のように陳情が押し寄せた。まるで限界まで水を貯めこんだダムが決壊するかのように。
 
 結果。
 その夜、私は部屋で重い頭を抱えることになったのだ。
 活気があると思っていたのは、城下にある町だけで、城から離れるごとに民人の暮らしは貧しく、厳しいものになっていった。
 3倍になった税に耐えきれず、子を売る、娘が身売りする、家族で夜逃げも頻繁にあることだという。
 ある小さな村では飢えのあまり5才の子供が毒草を食べてしまい、半身が不随になったという。その話を聞き、不覚にもボロボロと泣き出してしまった私を、村長たちがオロオロと慰めるという一幕もあった。
 押し込み強盗や追いはぎも増え続け、抵抗する手立てのない人々が犠牲になっている。治安は悪化する一方だ。
 町で子供たちを見なかった理由もわかった。家から出すと攫われて売られてしまうからだ。
 子供が外で遊べない国。それが今のローマリウスを表している。
 民人の陳情は断末魔の悲鳴のように思えた。
 むろん、町長、村長も何もしなかったわけではない。何度も大臣の配下の役人に直訴した、が、その声はどこかで握りつぶされ、かえって大臣を煩わせるという咎で処罰された者もいるという。
 昔の話ではよくあることだ。地方の役人たちが、上には知られたくない悪いことをしてるわけだ。
 サイアクだ。こうなったのは国に無関心だったレーナ、つまり私の責任でもある。
 このまま放置することはできない。
 私はサラさんを呼んだ。
 至急、臨時国会・・・もとい、大臣たちとの話し合いの場を設けるよう命じるために。
  

 続く




私は自分の創ったキャラクターがめちゃ、愛おしい。
創造したキャラクターが物語の中では生きている。
私の手を離れたところで生きているような気がする。

プロフィール

月屋京子

Author:月屋京子
限界集落で暮らすシングルマザーで、もとレディコミ漫画家です。趣味のイラストや漫画制作のおしゃべり、日常ネタなど。
イラスト投稿サイト「pixiv」では漫画やイラストなど。小説投稿サイト「アルファポリス」では小説掲載もやってます。

カテゴリ

最新記事

ニコッとタウン

♥♥♥♥ニコッとタウンでは紫水晶というアバネームでやってます。

pixiv

「サイエンスな理科子さん」★★娘の化学苦手克服に描いたけど。ちょっと(?)変になった漫画(-_-;) ブログ理科子 サイドバナー同居人 ブログ用限界ラプソディ

訪問感謝(´▽`*)

雪女

Twitter

ブログサイドバナー

レディースコミック

「めちゃコミック」から配信中♪ ↓レズ耐性のあるかたどうぞ♪ 広告バナー1 ↓見られるの快感?みたいな 広告バナー ↓女の変身願望(*^▽^*) サイドバナー広告 ネットで読める過去のレディコミ(黒歴史('◇')ゞ) サイドバナー広告A ↓タイトルは担当さんがつけた 広告バナー ♡18歳未満はご遠慮ください♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥ スマホで読むならコチラ↓ 公告バナー たぶん、割とレディコミっぽい 公告バナー

ともだちブログ

ブログ紹介 「たゆたんの悪だくみ」★★★★管理者>たゆたん。18禁ネタありなので閲覧注意♪ 辺境さんサイドバナー 「辺境の地に住む主婦のお絵描きブログ」★★★★★★★★★★★管理者>rainbowcubeさま。危なくないです。

メールフォーム

なにかありましたらコチラへ。

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。